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「祈りの舞踏会」最古の木製仮面と弧文円板
16 片手に仮面、片手に木矛をもって舞う

日本最古の木製仮面(桜井市教育委員会)
纒向遺跡第149次調査において朱塗りの盾(たて)や鎌柄などの多数の遺物とともに庄内1式期(3世紀前半)の土坑から出土したもので、長さは約26cm、幅約21.5cm。
アカガシ亜属製の鍬(くわ)の柄を転用して作られたもので、口は鍬の柄孔をそのまま利用している。
細目をあけて目にして、その上にうっすらと眉を線で描いている。
高く削り残した鼻には小さい鼻孔もあいている。
片手にこの仮面をつけて踊り、ある時はヒトに、ある時は神になる。
豊作を祈願するためのものなのか、そのような舞踏が3世紀の纒向で行われていた。
木製の仮面としては今から1800年前の国内最古のもの。
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17  祭祀に使われた?吉備地方の「弧文板」

纏向石塚古墳から出土した「弧文円板」(桜井市教育委員会)
日本最古で「前方後円墳の原型」と言われているのが「纒向石塚古墳」。
全長約96m(後円部径64m、前方部直32m)。
比率が3:2:1の纒向型前方後円墳の典型的なスタイルで、築年数は3世紀初めといわれる。
古墳の周壕へと水を引き込む導水溝が確認され、たくさんの土器や木製品が出土している。
そのうちの一つ「弧文板」は吉備地方の独特の文様で、特殊器台に使われたと同じデザインがほどこされている。
欠損もあり、本来の形状は不明だが、黒い漆塗りのすばらしいできばえである。
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18 弧文石と鏃(やじり)
「弧文石」は纒向遺跡第36次調査で検出された溝の上層から出土した。
重さは24.25gで、粘板岩製とみられる。
長辺4.7cm、短辺2.8cm程度しか残っていない小片のため、本来の形状は解っていない。
施文面を観察すると写真の下部から左側部分にかけては施文の基準となる4本の線が引かれたままで、彫刻が施されていない部分が残ることから、製作途中で何らかの理由により廃棄されたものと推定される。
また、当時の高度な土木事業には、朝鮮半島系の人々が深くかかわっていたようだ。
導水施設を含む祭場整備、それに儀礼には欠かせない存在だったのかもしれない。
韓式系の土器とともに銅製や木製の鏃(やじり)が出土している。
同じような鏃が韓国でも見つかっている。
都市・纏向の建設には、最初につくられた「大溝」の頃から半島の新たな土木技術が導入されていた可能性がある。

弧文石(桜井市教育委員会)

銅鏃と木製鏃(桜井市教育委員会)
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